稚内は日本最北端の市で、稚内市には一般人が行ける日本最北端である宗谷岬があります。本当の最北端は北方領土の択捉島で某国が返してくれないので私たちが行ける日本の限界です。
人はなぜか最北端に向かいたがるもので、北海道旅行に行く方の中でも宗谷岬を検討している方もいらっしゃるでしょう。それは僕も例外ではありません。
公共交通機関で宗谷岬に行くにはまずは電車で稚内駅を目指す必要があります。青春18キッパー以外は特急宗谷や特急サロベツの利用すると思いますが、札幌から稚内まで乗り通すと5時間以上ずっと座りっぱなしです。
以前自由席を途中まで乗ったことがありましたが、それでもキツかったので快適に過ごすためにグリーン車という選択肢も良いと思います。
今回は特急宗谷 特急サロベツのグリーン車と自由席・指定席の違いを実際に乗り比べたので写真たっぷりで紹介します!
旅のしおり
特急宗谷・特急サロベツとは?
最初に特急宗谷と特急サロベツについて簡単に解説します。
特急宗谷と特急サロベツの違いとは?
特急宗谷と特急サロベツは日本最北端の鉄道駅である稚内駅に停車し、途中は同じ線路を走行しますが運行される区間が違います。
特急宗谷は札幌駅~稚内駅まで400km弱を5時間10分ほどで結びます。
対して特急サロベツは旭川駅~稚内駅まで260kmを3時間40分で結びます。
特急サロベツの旭川駅と稚内駅間の260kmも長いですが、札幌まで運行される宗谷の400kmってとてつもない距離ですよね。
東京駅から名古屋駅でも366kmなのでそれ以上です。東京から岐阜羽島駅でちょうど同じくらいです。
また、稚内~札幌の5時間10分はJR北海道の中で最も長い乗車時間、、、と思いがちですが時間だけなら網走~札幌駅をつなぐ特急オホーツクが5時間20分と長いです。
ただし、距離は375kmほどなので距離で比較すると特急宗谷がJR北海道の最長です。
特急オホーツク・特急大雪もグリーン車と自由席・指定席を乗り比べていますので、「特急オホーツク・大雪のグリーン車と自由席・指定席を乗り比べ。違いと車内設備も解説します!」をご覧ください。
ちなみに、日本最北端である宗谷岬は稚内駅からさらにバスで1時間ほどかかります。
運行間隔は?
稚内方面は需要が少ないのか、運行数が少ないです。
旭川発の特急サロベツは一日に2往復、札幌発の特急宗谷においては一日1往復しかありません。
本来であれば便によって特急サロベツ1号とか、3号のように数字が付くのですが、特急宗谷は数字が付きません。
1日1往復なので区別する必要もありませんからね。
運行間隔は皆さんの想像通りかなり開いており、最短でも4時間30分も待つ必要があります(笑)
新大阪と東京を新幹線で往復できます。
乗り遅れたら予定が大幅に遅れるのは確定ですので、余裕を十分もって予定は組みたいです。
また、札幌から稚内方面に向かいたい場合は特急宗谷が候補に入るかと思いますが、札幌と旭川駅には30分間隔で特急カムイor特急ライラックが運行されているので、旭川駅から出発する特急サロベツに乗り換えられます。
乗り換えも隣のホームに移動するだけで良いですし、指定席を利用する場合も乗り換えても1回分の530円で済むので負担もあまりかかりません。
このように考えてみれば稚内方面の特急は1日に3往復あると言っても良いでしょう。
使用車両は?
特急宗谷・特急サロベツの両方とも261系0番台が使用されています。
カラーはJR北海道の特急に良くあるブルーです。
このカラーは結構好きなんですよね。ちなみに、他には特急北斗で使用されている281系やもう引退しましたが特急おおぞらで使用されてた283系があります。283系は僕が北海道に行く1週間前ぐらい前に引退してました。乗る気満々だっただけに残念です。というかちゃんと調べとけよっていう話なんですけどね。
この261系は宗谷本線の利用者が少ないこともあり、予算を抑えるために機器類のベースはディーゼル通勤電車が使われています。とはいえ、バケモノ気動車のキハ201系が使われているんですけどね。
この車両の俺的ポイントが高い所は、駅から出発する際の加速が良いところです。そして、加速と一緒に床の下から聞こえてくる「ヴィーーン」というディーゼルエンジンの回転数が上がっていく音、そして、一緒に聞こえてくるターボの「ヒュイーン」という音が感情を昂らしてくれます。
鉄道の加速にしては珍しく、加速Gをはっきりと感じた車両でした。
まあ、正直加速はバイクのほうが比べ物にならないくらい速いし、私の愛車である2ストバイクのR1-Zは油断すると振り落とされるようなスリリングな加速をしてくれますが、そういうことじゃぁないんですよね。ディーゼルエンジンにはそれぞれの良さがあります。僕はどちらも好きです。
皆さんも特急宗谷か特急サロベツに乗車した際にエンジン音にも耳を傾けてみてはどうでしょうか?まあ、自由席と比べて音がカットされているはずのグリーン車に乗ってもエンジン音が貫通してくるほど爆音なので、嫌でも聞くことになりますよ^^
特急宗谷・サロベツのグリーン車を紹介
それでは特急宗谷・特急サロベツに使用されている261系0番台のグリーン車を紹介していきます。
特急宗谷・サロベツのグリーン車は1号車にあり、グリーン車のマークが描かれています。
しかし、1号車のすべてがグリーン車ではなく前半分だけにあり、グリーン車に最も近いドアにグリーン車マークが小さく表示されています。
車両の号数が分からない場合はとにかくどちらかの先頭車両に向かえばグリーン車にはたどり着けます。
デッキ部分に入ってグリーン車へとつながるドアには控えめにグリーン車マークがあります。この車両は全体的にグリーン車の主張が控え目ですね。
ドアの向こうには革張りがされており、高級感がそこら中にプンプン漂っております。今まで紹介してきたJR北海道のグリーン車の中では高級感はピカイチです。
写真ではわかりにくいですが、グリーン車の床にはマットが敷かれています。
そして、グリーン車の天井は青っぽくなっています。夜の完全に暗くなりきる前みたいで好きです。
しかし、この車両のグリーン車は前から3列目までしかありません。そのため、乗車できる人数が限られており、僕が直前にグリーン車の予約をした際には結構埋まっている印象がありました。
後でJR北海道の編成表を見たのですが、1号車は廊下が異常に長くて、グリーン車は3分の1のスペースしかありません。これはもう半室グリーンじゃなくて、3分の1グリ(ry
それでは、席を見ていきましょう。
シートは革張りで、ひじ掛け部分に木が使用されており、高級感があふれています。
このひじ掛けの木は良くある木製風のプラスチックではなく、本物の木でした。指の先でトントンして確認しました(笑)
乗り心地は意外と普通で、背もたれもある程度はフィットする物のめちゃくちゃ良いと言う訳ではありません。
また、革張りになっているので少し滑りやすいというデメリットもあります。そのため、寝てしまうと頭がずれ落ちる可能性もあります。
しかし、それらのデメリットを補って余りある高級感に圧倒されて座り心地さえよく感じてしまいます(笑)
足元はグリーン車らしく、前の席との間隔が凄く開いており十分に足を延ばすことが可能です。
また、フットレストは収納できるので、足をのばす際に邪魔にならないのが良いですね。
シートの横幅は3列になっているおかげで、横幅も余裕ができています。
大体太ももとひじ掛けの間に両側とも手がを2つ重ね合わせたぐらいの横幅はあります。
それではシートに付いている機能を紹介していきます。
1つ目はリクライニングです。
手前側が最大まで倒している状態で、奥側が初期状態です。
グリーン車の中では標準くらいの角度ですが、このシートはある機能が付いているので実際に倒れている角度以上にゆったりできます。
リクライニングをたおすことで、座面も前にせり出します。
この機能があることで、さらに座面に浅く座れるので体の角度を小さくできます。
2つ目はまくらです。
写真では光の加減で見えにくいですが、まくらは分れていて上下に調節できるようになっています。
この写真の黄色線を引いてある部分が同じ高さなので、大体5cmほど調節ができるということですね。
この調節機能は初見ではなかなか気づきにくいですが、意外と座り心地に大きく影響します。
このまくらは背もたれから出っ張っているので、体格によっては肩と重なってしまって「なんか嚙み合わないなー」という気持ちになります。
そのようなときにまくらを調節して自分の頭の位置に移動することで、フィット感が生まれます。
3つ目はフットレストです。
フットレストは足を置くための場所で、使用する際には足を掛けて下におろしてくる必要があります。
簡単ですね。
一旦展開したら勝手に上がるということは無いので、足を置くだけで良いです。
そして、グリーン車のフットレストは足を置く面を裏返すことで靴を脱いだ状態で使用できます!
シートと同じ革の記事が貼られている面が素足を乗せる面です。
グリーン車の良いところはこの靴が脱げるフットレストがあることですね。まじで快適です。
ただし、素足に乗せる面に土足を乗せないように気を付けましょう。
JRのグリーン車についているフットレストは基本的に床と同じ生地なら土足、シートと同じ生地なら素足を置く面です。
ここら辺の話はJRグリーン車のフットレストの使い方を画像で分かりやすく解説します!で解説しているので、グリーン車に良く乗る方はご覧ください。
4つ目はテーブルです。
テーブルはシートからも近い位置にあるので、前の席の後ろに付いているタイプのテーブルとは違って、展開する際に「よっこらしょ」と体を動かす必要がありません。
しかし、1つ問題点がありまして、、、中心部分の折りたたまれていた部分でたるんでしまいますので、少し不安定になってしまうことですね(笑)
これには「もう少し何とかなっただろ」ってかんじですね。
テーブルを使用する方法はひじ掛けのカバーを開けて、中にあるテーブルをつまみ出してきます。
このテーブルはミニテーブルとしても使用できるので、ペットボトルを置くのに丁度良いサイズになります。
5つ目はコンセントです。
コンセントはひじ掛けに近い壁についています。
これが地味にスマホを充電する際に良い場所にあって使いやすいです。
6つ目は読書灯です。
グリーン車で俺的要らない設備ナンバー2にランクインしている読書灯ですが、グリーン車のみの設備です。
ちなみに、光っている部分をつかんで動かすことで光の角度を調節できます。
7つ目はチケットホルダーです。
チケットホルダーはグリーン車専用の金属タイプで素材が良いものになっています。
これはチケットを差し込んでいたら、わざわざ出す必要が無くなるというものですが、グリーン車と指定席は検札が無いので意味ないです(笑)
ほとんどシルバーアクセサリーみたいな感じです(笑)個人的に要らないと感じる設備ナンバーワンです!
音と振動は若干小さいけど、、、
グリーン車は音と振動の質が若干丸くなりますが、レールの振動と音、そしてエンジン音がめちゃくちゃデカいので多少小さくなっても、「なんか変わった?」レベルです。僕も意識してようやく小さくなっていることに気づきました。
エンジンについては車両の項目で熱りましたが、音と振動はレールも深く関わっています。
実はレールの状態によって「ガタンゴトン」という度合いがかなり変わります。例えば札幌と旭川近郊ではレールの状態がすごくよく、「ガタンゴトン」という音がならないくらいに整備されているのに対して、お金を変えられない田舎部分の線路は状態が悪いのか派手に振動と音がなります。
宗谷本線に至っては「ガタンゴトン」となっているのは基本で、ある区間は下から「ドゴォーン!ドゴォーン!」と突き上げられるような激しい振動もありました(笑)
結論:グリーン車でも音と振動の軽減は期待できません。
客層・乗車人数
グリーン車は1つの便に対して9席しかなく、おまけに便がそもそも1日に3往復しかないので埋まっている印象があります。
とはいえ、ほとんどが1人で乗っていて話し声がしないので、乗客の質は良いと感じます。
確実にグリーン車に乗りたい場合は直前ではなく、何日か前に席を予約しておくのが良いでしょう。
以上でグリーン車の解説は終了です。
余談ですが、冬に稚内駅に行くとホームが凍っていて滑るので気を付けてください。
とはいっても、冬の北海道に行くなら10回は滑ってこけそうになります。靴は良いものを履いていきましょう。
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特急宗谷・サロベツの自由席・指定席を紹介
次に自由席・指定席を解説していきます。
特急宗谷と特急サロベツは1号車の後ろ半分、2号車、3号車は全て指定席で4号車だけ自由席という構成でほとんど指定席です。
今回乗車したのは指定席ですが、自由席も同じ物が使用されています。
ちなみに、入り口部分に段差があるので、補助が必要な方は駅員さんを尋ねると良いでしょう。
内装はシンプルですが、シートの色が鮮やかで綺麗に見えます。
シートの色は車両によって違っており、他に赤、緑の3色があります。
赤色も鮮やかで綺麗な色です。
みどりは青緑のような色調で、個人的にはなんか微妙(笑)
これらは色違いなだけで、機能性は変わらないのでどの色のシートでも当たりはずれとかはありません。
そして、今回僕が乗車するシートは青色です。
色は鮮やかですが、JR北海道のシートの中では一般的なものですね。
座り心地は体にフィットするタイプです。
座面は席のおしりら辺が少しくぼんでおり、おしりに合うようになっています。また、背もたれは後頭部までしかありませんが、その後頭部に当たる部分が柔らかく、背中の形状にフィットします。
前の席との間隔は狭いですが、足は延ばせるようになっていますので十分です。
そして、シートの横幅も男の普通体形の僕でも余裕があるので、基本的には大丈夫でしょう。
それでは自由席・指定席に付いている機能を紹介していきます。
1つ目はリクライニングです。
手前が最大まで倒してあり、奥が最初の状態です。
正直リクライニングは倒れる方ではありませんので、ゆったりはできません。
ゆったりを求める方はグリーン車一択です。
2つ目はテーブルです。
乗車時間が長いのでテーブルは必須装備ですね。
面積は大きいので駅弁を食べたり、パソコンで作業をしたりする際に利用できます。
ただし、車内販売はないので食事と水分、お菓子は稚内駅構内にあるお土産屋とセイコーマートで調達しておくことをおすすめします。買い忘れたら「まあ、、頑張って」としか言いようがないです。
3つ目は手すりです。
手すりはJR北海道特有の太目タイプの手すりが装着されています。太いのは使いやすくて良いので他のJRも導入してくれませんかね?
以上が自由席・指定席の紹介を終了です。
特急宗谷・サロベツの設備を紹介
最後に特急宗谷の設備を紹介していきます。
何がどこの車両にあるのかは、JR北海道のサイトに掲載されています。
1つ目はフリースペースです。
これは上の編成表には乗っておりませんが、1号車のグリーン車と自由席の間のデッキ部分にあります。
壁に簡易的な椅子のようなものがあり、椅子に付いている曲線がおしりにフィットして気持ち良いです(笑)
この椅子に座りながら窓から流れる景色を横目で見る、、、というシチュエーションが似合う男になりたいものです。
2つ目はお手洗いです。
この車両にあるお手洗いは全て男女兼用で、車いす対応トイレもあります。
しかし、トイレは全ての車両にあるわけではなく、2号車と3号車しか設置されていません。
3つ目は洗面器です。
洗面器は扉が付いているタイプで、プライベート性も確保されています。
洗面器は編成の中に1つしかありませんが、化粧台は車いす対応トイレにも付いているので、どちらかの近い方を利用すると良いでしょう。
以上が特急宗谷・特急サロベツの設備でした。
まとめ
今回は特急宗谷と特急サロベツのグリーン車と自由席・指定席の違いを解説していきました。
稚内から旭川まででも遠いのに、札幌まで行くととんでもなく時間がかかります。そうすると腰に疲労がたまってきます。
グリーン車を利用すると全然疲労がたまらないとは言い切れませんが、ある程度は快適になれます。
しかし、グリーン車に乗るにはグリーン料金がさらに4000円ほど必要で、札幌と稚内を乗り通すと15000円ほどかかりますので安易にお勧めはできません。(ブログやってなかったら多分グリーン車にはのらない)
もし検討している方がいらっしゃれば、僕の乗り比べが判断材料になってくだされば幸いです。また、乗ることになった際には「グリーン車にはこのような機能があったんだ!」ということもあると思うので、ぜひ機能紹介も参考にしてください。
このサイトでは他にもグリーン車と指定席・自由席を乗り比べているので、気になる方は是非ご覧ください。
JR北海道の特急の種類を解説!路線図で分かりやすく解説します!
おまけ
番外編です。
実は特急サロベツには思い出がありまして、2018年ぐらいに青春18きっぷを使用して北海道の稚内から鹿児島県の西大山駅(本州最南端駅)まで5日間の行程で日本縦断を行いました。
初日は稚内駅を5時20分に出発するつもりだったんですが、、、起きた時間が5時30分で完全にしょっぱなから寝坊をかましてしまいました。
そこで仕方なく6時30分発ぐらいの特急サロベツ2号で名寄駅まで乗車して、乗り換える予定だった快速なよろに追いつくことができました。
せっかく安価で行ける青春18きっぷ旅なのに、いきなり+5000円の出費です。愚かですね。
当時の特急サロベツの自由席
ちなみに、青春18きっぷオプション券で青函トンネル区間だけ新幹線を安く乗れる券を持っていたのですが、またも爆睡して区間を超えていってしまったので、結局さらに+5000円の出費がかかってます。
結構やらかしていますね。
また、当時はムーンライトながらがあり、それで一気に大垣駅まで行きましたが、今はなくなってルートを再現することはできなくなりました。
スマホを盗られかけた思い出もあります(笑)
もう良い思い出です。
アイマスクは初期からあったけど今は3代め。
友達から怖いと言われたので、変えました(笑)
ブログ的なことを言いますと、当時は始めたばっかりの1日0PVも普通で、記事の内容も「人に読まれる気持ちあんのか?」と思ってしまいますね。自分自身の成長を感じます。
途中は放置していたので記事数はそこまでないですが、今は85記事目です。ブロガーとしてはスタートラインにも立っていませんね。これからさらに記事を増やしていく所存です。
最後に一応リンクだけ貼っておきます。恥ずかしいのと5記事に渡って無駄に長いので別に読まなくても良いです。