特急しなのを利用する方でグリーン車を利用してみたいけど、どのような設備なのか?と疑問に思っている方もいらっしゃるでしょう。
今回は特急しなののグリーン車と指定席・自由席を乗り比べたので、写真を大量に使用しながら違いを紹介します!
旅のしおり
特急しなのとは?
特急しなのはJR東海が383系で運行している特急です。
窓枠のラインに黒いライン、その下に細いオレンジのラインがあるのがJR東海の車両のカラーに多いですよね。
実はこの先頭車両はワイドビュー車両で、連結用の先頭車両も存在します。
グリーン車にしてもワイドビュー車両だけでなくこの連結用の車両が来る場合もあります。
ワイドビュー車両に乗りたくて進行方向の1番前の席を確保していた場合も、普通に連結車両用の場合もあります。
そして、中央本線は山脈の近くを走る関係で、カーブが多いので制御付き振り子装置が採用されています。
これによってカーブで車両を傾けてカーブのスピードを速くするという仕組みですね。
乗車している側としては車体が傾いても遠心力と打ち消しているので、特に「傾いているなー」とは感じませんが、視覚的には結構傾いているのがわかります。
この写真はカーブで傾いている状態で、スマホを地面に平行にした状態でとっている写真です。
そのため、この写真の傾きが車体の傾きです。座っている側は特になんも感じませんが、車両の傾きを意識してみるのも面白いかもせれません。
運行区間
運行区間はJR東海の中心地である名古屋駅と長野駅を結んでいる特急です。
途中の停車駅では松本駅や中津川駅に停車するので、長野以外でも岐阜県の東側にアクセスする際に利用できますね。
名古屋から長野まで約250kmあり、便にもよりますが3時間で結びます。
地図で見ると結構北の方に向かっているのが分かると思います。
特急しなののグリーン車を解説!
最初にグリーン車のほうから紹介していきます!
特急しなののグリーン車は1号車の先頭車両にあります。そして、グリーン車の証である四つ葉のクローバーがドデカく描かれています。
関西のクローバーマークは小さめなので、ここまでグリーン車のマークが大きいのは新鮮です。
扉の中に入ると、グリーン車マークが描かれたドアがあります。この先がグリーン車ですね。
グリーン車は片方に2列ずつ合計4列です。
実はグリーン車で左右合計4列なのは凄い新鮮なんですよね。というのもJR西日本のグリーン車は片側が2列でもう片方1列の合計3列になっています。
また、室内のカラーリングも地味目でグリーン車でありがちなエレガントさはありませんね。しかし、下にカーペットが敷いてあるのはグリーン車っぽい内装ですね。
これが今回僕が座る座席で窓側です。
それでは座って行きましょう。
座り心地は自由席や指定席の座席よりも少し柔らかいですね。座面が柔らかいので座った時に沈み込む深さが大きく、おしりとの設置面積が増えて体重が分散されるので体への負担が軽減されます。そして、背もたれは体の曲線にフィットしているので、違和感もありません。
あとは、頭の横に頭がずれ落ちないように突起が付いています。これはグリーン車だけでシートにも立体感が生まれるので、初めて乗った方は「すげー」となると思います。
この突起で頭を支えた際にも突起のカーブが頭のカーブにぴったり合うのもポイントが高いですね。
足元は前の席との間隔がめちゃくちゃ広くて、無理やり足を延ばしても前の席に邪魔されないので、足が長い方も伸ばし放題です。
そして、後述しますがフットレスト(足を置く台)が使う時だけ下に下げる方式なので、使用しない場合でも邪魔にならないことが良いです。
ここまで足を延ばせたのは過去最高レベルです。
そして、僕が一番気になっているのがシートの横幅です。
横幅は自由席や指定席と全然変わりません。もしかするとほんのちょっと広いのかもしれませんが体感できるレベルでは無いです。
中央のひじ掛けは可動式ですね。
2人ペアで乗るときにはひじ掛けをあげることで密着できます。羨ましいなぁ!オイ!
基本的にはひじ掛けは下げた状態で使用すると思います。カップル以外は。
また、確率は低いのですが、隣の通路側に人が座ってきた際には1つしかないので恐らく譲り合いになって使用できないでしょう。もしあなたが「そんなの関係なく使ってやるぜ!」っていうなら関係ないかもしれませんが。
次に席の機能について紹介していきます。
1つ目はリクライニングです。
手前がリクライニングを最大まで倒した状態で、奥側がなにもしていない初期状態です。
見ての通りかなり倒れますし、自由席・指定席と比較しても若干大きく倒れます。特急しなのに関しては自由席や指定席が深く倒れるんですよね。
最大まで倒した状態だと、座っているのと寝ているのの中間ぐらいの姿勢になれます。
また、グリーン車は客が少なく、後ろに他の乗客が来る可能性も少ないので後ろに気を使ってリクライニング角度を遠慮せずに前回に倒せるのも大きいです。
2つ目はフットレストです。
フットレストは足を置くことができるもので、足を置くことで足首の角度を自然な状態で保持できる設備です。
基本的にはグリーン車に装着されていることが多いのですが、たまに自由席や指定席でも装着されている場合もあります。
そして、特急しなのの場合は少し簡素なものですが、自由席・指定席でもフットレストが装着されています。
上の画像は使用できる状態ですが、初期状態では上がった状態になっているので足で下げる必要があります。
しかし、グリーン車のフットレストはまだ本気を出していません。実は足を乗せる面を反対に回したら素足を乗せられる面が出現するのです。
反対側になったら素足を乗せます。くれぐれも土足で使用しないようにしましょうね!
フットレストの土足や素足の判断方法は当サイトで解説しているので、ぜひご覧ください!
▼フットレストの使用方法▼
近鉄特急とJRグリーン車のフットレストの使い方を画像で分かりやすく解説します!
やっぱりリクライニングを最大まで倒して、素足になれるグリーン車は最強です。グリーン車に乗る機会があればぜひ体験していただきたい。
フットレストをしまう際には、土足のまま足を置く面に戻してから隣のレバーを踏みます。
レバーを踏むことでフットレストが上がっていきます。
3つ目はメインテーブルです。
メインテーブルは前の席の後ろに付いているタイプです。
新幹線にあるタイプに似ていますが指定席や自由席よりも横幅が広いものに変更されています。
横幅が広い分相対的に縦方向が小さく見えますが、同じ特急しなのの自由席や指定席と縦幅は同じです。
4つ目はサイドテーブルです。
メインテーブルの他にもサイドテーブルも付いています。
大きさもまあまあ大きいので、パスケースやスマホを置く場所として利用すると良いでしょう。
取り出す方法はひじ掛けの蓋を開けて、中からテーブルを取り出すだけなので簡単です。
5つ目は読書灯です。どこの席でもありそうですがグリーン車のみの装備です。
また、この光の向きは手で調節できます。
正直現代の方はスマホという文明の利器があるのでほとんど利用される方は少ないかもしれませんが、読書をする際には使うと便利かもしれません。
音と振動が軽減されている
グリーン車の定番ではありますが、指定席や自由席と比べて音と振動が抑えられています。
具体的には車輪が線路を走ると「ガタンゴトン」という音とそれに伴う小さい振動がしますが、グリーン車ではこの「ガタンゴトン」という音が軽減されており、気にならないようになっています。また、細かい振動も全くといっても良いレベルでまるで氷の上を滑って行ってるかのような感覚になります
ただし、さすがに車両自体の左右の揺れは感じますけど、線路から感じる細かい音と振動が軽減されるだけでかなり乗り心地が良くなります。
また、電車は同じ編成内にモーターがある車両とモーターが無い車両が存在します。
指定席に乗った際にはモーターがある車両だったので、加速時に結構モーターの音がしましたが、グリーン車がある車両はモーターが無く、引っ張られているだけなので加速時も音がしません。
このようにグリーン車では振動と音の面でも気を使われていることが分かります。
客層は?
客層はおじいさんとおばあさんの老夫婦や一人で乗車している人ばかりです。
グリーン車はグループで乗車してくるのがほとんどないので、その分話し声もほとんどなくて静かです。
さらにガラガラなので、客の席の間隔がかなり広いです。
これも静かな要因として挙げられます。
以上でグリーン車の解説は終了です。
特急しなのの中津川駅周辺で見られる木曽山脈です。
山脈を縫うように走るので窓側に座ることで、景色も楽しめます。
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特急しなのの自由席・指定席を解説!
次は特急しなのの自由席・指定席を解説していきます。
指定席や自由席もグリーン車と同じで4列シートです。
シートはグレー色で地味なカラーリングですが、指定席や自由席の廊下にはカーペットが無いという違いがありますね。
今回座るのは窓側です。
第一印象として、「グリーン車と比べてなんか貧相だな」と僭越ながら思いました。特に同じ4列なのに形状だけでここまで印象が変わるんですね。
また、真ん中のひじ掛けが凄い細いですね。
最初に座った感じは少し窮屈感を感じちゃいますね。
えー普段ならグリーン車と同じようにアイマスクなんですが、近くに人がいたのでさすがに無理でした(笑)
どこら辺が窮屈なのかというと、肩のあたりですね。リクライニングを倒した状態だと少し肩の両側が圧縮されます。
グリーン車とは席の横幅がほとんど同じではあるのですが、真ん中のひじ掛けの太さの差が窮屈感につながっているのかと思います。
また、グリーン車ではあった頭の両横に合った、頭がずれ落ちるのを防ぐ突起が無いので、眠ろうとして横になったらずれおちます。
座り心地は座面が硬めですね。グリーン車よりも座面のクッション感が少なく感じました。加えて、余りフィットしないです。
前の席との距離は近いのですが、前の席の下に足を延ばせるので無限に延ばせます。
横幅は同じ4列なのでグリーン車とほとんど変化はありません。
ただし、太ももやおしりに窮屈感があるわけでは無くて、丁度収まっているので大丈夫でしょう。しかし太ももを鍛えている方は窮屈だと思います。お次は機能の紹介をしていきます。
1つ目はリクライニングです。
手前が最大まで倒した状態で、奥側が初期状態です。
リクライニングは意外と倒れます。ただし、指定席や自由席には後ろに人がいる確率が高まるので、遠慮して控えめにしかリクライニングを倒さないというパターンになりがちです。(今回は後ろにいなかった)
ただし、座面の形状か材質の影響か知りませんが、リクライニングを倒して座った際には、おしりがずれ落ちてくるんですよね。
ずれ落ちないために変な力を使う必要があったので、せっかくのリクライニングがもったいないですね。
2つ目はフットレストです。
特急しなのではグリーン車だけではなく、指定席や自由席でもフットレストがあります。
ただし、グリーン車のものよりも簡素なもので、土足で使用する面しかありません。
使用方法は足でフットレストを下げるだけで良いですし、収納する際には足をどけるだけです。
特急しなのの他にもこのような簡素なフットレストがあるのですが、素足になれないし、足は延ばせないので普段は使用しません。
しかし、先ほど紹介したリクライニングを使うとおしりがずれ落ちてくるので、力を極力使わずに体を支えるために今回は使用しました。
皆さんもリクライニングでおしりがずれ落ちる場合は、フットレストで体を支えると力も必要ありません。
3つ目はメインテーブルです。
サイズはグリーン車のテーブルと比べて横幅が少し小さく、ノートパソコンを置く際にはサイズによってははみ出るかもしれません。
駅弁を食べる際にはペットボトルを置いたら、残りのスペースがかなり小さくなります。
これはシートの裏ですが、グリーン車ではテーブルの横幅がシートの横幅いっぱいまであったのに対して、指定席や自由席では少し小さくなっているのが分かると思います。
以上が指定席・自由席のシートの機能です。
客層
客層は平日の昼なんで何とも言えませんが、おじいちゃんが多めでした。
ただし、乗車率はそこそこ高く、視界にの中に人の頭が見えるのでリラックスはしにくいかもしれませんね。
以上で指定席・自由席の紹介は終了です。
内装を解説!
最後は車内にある設備を紹介していきます。
1つ目は自動販売機です。
ラインナップは水、お茶、コーラ、缶コーヒーと言った本当に基本的ですね。
名古屋から終点の長野まで行くには3時間かかるので、持ち込んだ飲料を全て飲み干したり、購入するのを忘れていたりしたときに便利ですね。
2つ目はラゲッジスペースです。
これはグリーン車のラゲッジスペースですが、他の車両にもついています。
恐らくですが長野に向かう客の中にはスキー板を持ち込む際の置き場所として使用するものだと思います。他にも大きいスーツケースがある場合は利用すると良いでしょう。
しかし、鍵はなさそうなので盗難の危険性はあります。スキー板を盗ろうとする人はなかなかいないと思うので、多分大丈夫です(責任は取りません)
3つ目は洗面器です。
特急しなのの洗面器は蛇口の横に温水と通常の水の切り替えボタンがあるので、寒い日は温水を使用できるのが良いですね。
長野という寒い場所を走るからこそ、付いている機能かもしれません。
4つ目はお手洗いです。
まあ、長距離列車なのにお手洗いが無いと困りますね、、、
男性用と多目的トイレがあります。
男女兼用というよりも多目的トイレですね。
以上が特急しなのの設備です。
まとめ
今回は特急しなののグリーン車と指定席・自由席の乗り比べをしました。
関西の特急はほとんど乗りつくたので、次は東海に進出です。
初めての東海の特急だったので、関西で当たり前だと思っていたことが違っていたりして、新鮮な乗り比べでした!
正直指定席や自由席の乗り心地は、、、微妙、、、、でしたが、グリーン車は4列ながらもグリーン車の快適席は損なわれていなかった印象があります。
というか、指定席や自由席はあえて座り心地悪くしてるんすかね?