特急カムイは札幌と旭川をつないでいる特急で、席のランクに自由席とuシートがあります。
基本的に自由席・指定席・グリーン席の名前は聞いたことがあるとは思いますが、uシートという名称は聞きなれない方も多いと思います。
端的に言えば、uシートは指定席と同じ値段で通常の座席よりも良い席に座れるお得な席です。
では、そんなuシートに座るメリットは何なのか、実際にどのような設備があるのか気になってくるのではないでしょうか?
今回は特急カムイに実際に乗車したので、uシートの違いと乗車して感じたメリットを解説していきます。
旅のしおり
特急カムイとは?
最初に特急カムイを軽く紹介します。
運行区間
特急カムイは札幌駅と旭川駅をむすんでいる特急です。
札幌から旭川までの所要時間は約1時間30分で結びます。
特急カムイには特急ライラックという同じ所要時間で、同じ停車駅に停車する特急があります。
この特急との違いはuシートが無い代わりにグリーン車があるということだけなので、自由席に乗る方は別にどっちを選んでも変わりません。
詳しくは「JR北海道の特急ライラックと特急カムイの違いって何?両方乗ったので違いを解説!」で解説しているので、どっちに乗るか迷っている方は是非ご覧ください。
運行間隔
運行間隔は運行区間、停車駅、時間が同じである特急ライラックを含めると30分間隔で運行されています。
JR北海道の特急は運行間隔がとんでも長い特急もありますが、北海道の人口ナンバー1と2の都市を結ぶ特急だけあって運行間隔は短めですね。
ただし、指定席を取っている方は便数を間違えないようにしましょう。
使用車両
特急カムイに使用されている車両は789系の1000番台で、全体的にグレーがかった色に窓の下の緑、紫、黒のラインが特徴的です。
そして、特急カムイにはグリーン車がありません。自由席とuシートの2種類しかありませんので、グリーン車を利用する方は特急ライラックに乗車しましょう。
特急ライラックのグリーン車は「特急ライラックのグリーン車と自由席・指定席の違いを解説!写真をたくさん使って解説します」で解説しています。
特急カムイのuシートに座るメリットとは?
特急カムイのuシートに座るメリットは確実に座れることと、ワンランク上のシートに座れることです。
1つ目は指定席なので、確実に座れます。当たり前です。
2つ目は指定席と同じ値段でuシートというワンランク上のシートに乗車できるのです。
この2つ目のメリットがデカすぎます。
基本的には指定席は自由席と同じ席の座席指定料金だけで530円を支払う必要があります。
しかし、uシートはその530円で座席指定だけでなく、席自体のグレードも上げられるのです。
ちなみに、同じ区間を走っている特急ライラックの指定席は自由席と同じなので、指定席を選ぶ場合は特急カムイに乗車すると同じ値段で良い席に座れます。
具体的な紹介は後でしますが、充電用のコンセントが付いていたり頭周りの快適性が上がっていたりします。
正直札幌から旭川の区間は特急の本数が多いので自由席でもあまり満席になることはありませんので、席に座りたいという理由だけで指定席にする必要はほとんどないと思います。
そのため、uシートはワンランク上のシートで快適に移動したい方におすすめします。
特急カムイのuシートを解説
それではuシートを解説していきます。
特急カムイのuシートは4両目にあり、車体には「uシート」と記載されているので見つけやすいです。
車内に入ると客室に通じるドアにも「uシート」のロゴが書かれています。
このドアを入るとなにやらスペシャルな座席が出てきます。
シートに付いているまくらの存在感が強すぎます。そして、シートのカラーがブラウンでエレガントな雰囲気を感じます。
これは期待できますね。
とはいえ、片方に2列ずつあって、合わせて4列のシートなのでグリーン車ほどではありません。
自由席<uシート<グリーン車という序列は崩れていないようです。
それでは乗車していきましょう。
uシートは足元の空間はカーペットが敷かれています。
座り心地は悪くないですが、自由席と一長一短という印象があります。
もちろん自由席にはない快適装備で総合的には自由席よりも快適に過ごせます。
しかし、座面は自由席よりもクッション性が劣っており、深めに座ると背もたれの下の部分にあるクッションが無い部分の角が腰に当たって少し違和感があります。
逆に良い点は言わなくてもわかると思いますが、ふかふかのまくらがあり頭を包み込んでくれて、体が動かないようにしてくれるホールド性が高いと感じました。
また、座面が頭頂部まであります。自由席は後頭部までしかないんです。
座面が高いことのメリットは想像つきにくいかもしれませんが2つあります。
1つ目は頭の重さを背もたれに預けられて首の負担が減ることです。自由席のように後頭部までしかないと頭が浮いている状態になり、自分で頭を支える必要がありますので、疲れやすくなります。
2つ目は精神的にリラックスできるからです。背もたれが低いと前の席の人達の頭が視界に入ってきて、他の人の存在を感じてしまうのですが、背もたれが高いことで視界が遮られ、前の席に座っている人たちの頭が見えなくなることで他の乗客の存在を感じにくくなります。
足元の広さは自由席と変化がありません。
しかし、前の席の下に足を延ばせるので、余裕で足をのびのびできます。
また、シートの横幅も自由席と変化はありません。
とはいえ、特急カムイに付いている自由席は普通に横幅が広く余裕があるので、「狭くて窮屈」と感じる方はほとんどいないと思います。
お次は座席に付いている機能を解説していきます!
1つ目はリクライニングです。
手前側がリクライニングを最大まで倒している状態で、奥側が最初の状態です。
写真から見ても倒れる角度はかなり大きく、改めてこの席が良い席であることを認識させてくれます。
最初に深く腰掛けると背もたれの角が腰に当たって痛いと言いましたが、深く腰掛けずに普通に座ったら違和感はありません。
それよりもリクライニングが倒れすぎて、後ろに人がいる場合は遠慮して途中までした倒せないと思います。
今回は後ろの席に人がいなかったので、リクライニングを堪能させて頂きましたが、休日や乗客が多い時間帯に利用する場合はある程度の妥協は必要かもしれません。
2つ目はまくらです。
やっぱりこのまくらがトレードマークなのですが、実はこのまくらは上下に調整できます。
最初の状態ではまくらが一番最低の位置になっていますが、このままではまくらが肩に重なって乗り心地が大きく損なわれる場合があります。
もし、まくらの位置が合わないなと感じる場合はまくらをつかんで上に上げて、自分が丁度良い場所を探してみて下さい。
この機能を知らないと、「uシートのまくらは良いんだけど、このまくらのおかげで乗り心地が逆に悪くなってるんですけど!」という感想を抱いてしまう可能性があります。どっかに機能を書いていてくれればわかりやすくて良いんですけどね。
3つ目はテーブルです。
全区間を乗り通すと1時間半ぐらいあるので、時間の余裕が無くて特急の車内で食事をとりたい場合はテーブルが利用できます。
そして、テーブルも広いものなので、ノートパソコンを乗せて作業することも出来ます。
4つ目はカップホルダーです。
これは前の席の後ろについており、ペットボトルを持ち込んでいる際に地味に便利です。
5つ目はコンセントです。
uシートにはペットボトルホルダーの上に1つコンセントが設置されています。
自由席にはコンセントが無いので、充電することを目当てでuシートに乗るという選択肢も良いですね。
ただ、コンセントとペットボトルホルダーを併用すると少々干渉します。
スマホの充電器くらいなら大丈夫ですが、ノートパソコンの充電器の中には大きいものもありますので、もしかしたらどちらか一つをあきらめることになるかもしれません。
6つ目はチケットホルダーです。
名前の通り、チケットを入れるホルダーです。
しかし、指定席であるuシートには改札が無いので、このチケットホルダーの出番はありません。
無駄に入れても良いですが、寝ている間に盗難のリスクがありますのであまりお勧めはしません。
7つ目はひじ掛けです。
uシートのひじ掛けは自由席のひじ掛けと比較して幅が大きく肘を置きやすい形状になっています。
別に紹介しなくても良いとは思ったのですが、ひじ掛けを出すことによってひじ掛けが収納されていた部分にスペースが出来て少し肩幅の余裕が増えるのでぜひ活用してください。
最後に席自体に付いている機能ではありませんが、荷物スペースです。
荷物スペースはuシートのある4号車だけに設置されており、実質uシート利用者の特権です。
大きいスーツケースは自分の席に持っていくと邪魔なので、旅行者の方に便利な設備です。
以上でuシートの設備の解説は終了です!
客層
客層は意外と自由席や指定席と変わりません。
座席は良いものになっていますが、料金が指定席と変わらないですしね。
そして、お客さんも数も結構多いです。平日の昼間では窓側は結構埋まっていたので、ピークの時間帯では隣の席に誰かが座ってくるかもしれません。
前半戦:まとめ
以上でuシートの違いと乗車するメリットの紹介は終了です。
uシートは自由席の値段に+530円を足すだけで快適な装備を利用できるお得なシートということが分かって頂けたと思います。
本当にお得で自由席よりも快適なので、旅行者の方は移動時間の楽しみの増えますし、ビジネス利用の方はPCの充電をしながら作業ができます。
そして、観光の方もビジネスの方も体力を温存できますので、皆さんも利用してみてはどうでしょうか?
uシートのことは以上です。後半戦はこのサイトの恒例である自由席と車両にある設備の解説です。
特急カムイの自由席を解説
それでは自由席の紹介をしていきます。
自由席は同じ区間を走っている特急ライラックと全く同じですが、地味に床の模様が違っていたりします。
シートは暗めの赤色で、落ち着いた雰囲気があります。
uシートを見た後はやっぱり少し物足りなく感じますが、座り心地は全体的にもちもちしていて自由席のシンプルな座席の中では最高級に良いです。
肩幅もuシートと同じ広さで窮屈感もありません。
しかし、背もたれは後頭部までしかなく、頭の重みは支えてくれませんし、前の乗客の頭の先が見えるので落ち着けるというわけではありません。
足元の広さはuシートと同じ広さで、前の座席の下側が開いているので足は同様に延ばせます。
シートの横幅もuシートと同じですね。
十分な広さがあるので窮屈感は全くありません。
次にシートの機能を解説していきます。
1つ目はリクライニングです。
手前側が最大で、奥側が最初の状態です。
リクライニングは微妙です。これを見るといかにuシートのリクライニングが凄かったのか分かります。
2つ目はテーブルです。
テーブルもuシートと同じ広さで、様々な用途に使用できます。
3つ目はひじ掛けです。
ひじ掛けもuシートと同じもので、収納が可能です。そして、ひじ掛けは基本的に出しっぱなしのほうがスペースを広く使えますので、出しっぱなしがおすすめです。
以上が特急カムイの自由席の機能でした。uシートと比べると最低限の設備のみが付いているという印象がありました。
特急カムイの設備を解説
最後に特急カムイの車内にある設備を紹介していきます!
何がどの車両にあるのかはJR北海道のホームページに掲載されているので、詳しい場所が知りたい方はこちらからどうぞ。
1つ目はお手洗いです。
真ん中のドアが次の車両に移動するドアで、その右にあるのが男子専用トイレ、左にあるのが男性と女性の共用の洋式トイレです。
また、他にも車いす対応トイレがあります。
2つ目は多機能化粧室です。
特急カムイではトイレに付いている洗面器とは別に独立した洗面器は多機能化粧室という名前になっています。
そして、珍しく扉が付いています。最初は僕もトイレと勘違いしていたのですが違いました。
個室になっているので、他の乗客に見られないのが良いですね。
他の車両にはめったにない設備であるコンセントやゴミ箱も付いています。
さらに、着替えをするためのボードもフィッテングボードも付いています。
でも列車は揺れるので、使用する際には気を付ける必要があります。
このように多機能化粧室という名称にふさわしい設備が設けられています。
以上で設備の解説は終了です。
まとめ
今回は特急カムイのuシート、自由席とその設備を解説しました。
uシートを検討している方の判断材料になって頂ければ幸いです。
このサイトでは他の車両のグリーン車と指定席・自由席を乗り比べているので、気になる方は是非ご覧ください!