皆さん2ストは乗ったことありますか?
2ストは2ストロークエンジンの略でとか2stとか2サイクルエンジンとか言われていますが、今の時代は乗ったことが無い人のほうが多いと思います。
簡単に言うと2ストロークエンジンは今主流の4ストロークエンジンの2倍燃焼していて、パワーが同排気量の4ストよりも1.6倍近くを出せることが出来ます。
1990年代までは2ストエンジンのマシンはたくさんありましたがし、現在の環境規制に適合させるが難しく今では影を潜めています。
2ストロークエンジンと4ストロークエンジンの詳しい説明が知りたい人はコチラのページがおすすめです。
今回はそんな2ストバイクであるR1-Z が納車されたので、維持、燃費、加速に関する2ストのリアルを語っていこうと思います。
ただ、R1-Zは2スト250の中では最後に残っていたバイクなので、それ以前のレーサーレプリカの2ストよりだいぶん扱いやすくなっていると思います。
車種によって変わるので、2スト全体の傾向として考えてくれると嬉しいです!
旅のしおり
凄い加速!
パワーバンド以外は「こんなもんか」という感じですが、パワーバンドで来る加速はまさに「暴力的」です。
高速道路の加速で試したりしましたが、体を伏せてハンドルを握りしめないと体だけが置いていかれそうな加速で、ビビッてフルスロットルはまだできてないという恥ずかしい始末です(笑)
2ストの加速は「はじけた様な加速」とか、「怪力の人に蹴飛ばされたような加速」なんて表現されますが、わかりやすいようでわからないですよね(笑)
そこで、現行のバイクとスペックを比較したいと思います。
今回比較するのは項目は車体の重量をトルクで割ったトルクウエイトレシオで比較します。
結構勘違いをしている人もいますが、加速はトルクです。
僕が購入したバイクは3型(最終型)のR1-Zで本来は規制後ですが、点火ユニットであるCDIを変えると初期型の規制前のスペックを出すことが出来るので、R1-Zの初期型と現行のYZF-R25を比べます。
規制前のR1-Zの最大トルクは9500回転で3.7kgf・Nで、YZF-R25(2020年モデル)は12000回転で2.3kgf・Nを発生させます。
どちらもヤマハの高回転型パラツイン(並列2気筒)のエンジンですが、4ストと2ストの違いで最大トルクでは約1.6倍もの差があります。
さすが4ストの2倍燃焼しているだけあると思います。
では、車両重量をトルクで割ります。
R1-Zは153kgでYZF-R25は170kgです。
そうして、出てきたトルクウエイトレシオはR1-Zで41.3でYZF-R25で73.9という値になります。
ここで、R1-Zのトルクウエイトレシオ ÷ YZF-R25のトルクウエイトレシオ =1.79となります。
本当は厳密な数字ではありませんが、この1.79が大体の加速の倍率と考えてもいいと思います。
やっぱり2ストはエンジンがパーツが少ないだけあって車体が軽い+トルクがあるので、あの加速を生み出すんだなと思いましたね。
しかも、スペック上にはない特徴も加速"感"を感じる要因となっています。
4ストの加速はフラットに加速しますが、2ストはパワーバンドでいきなり加速するので、特に加速が凄いように感じます。
その代わり燃費が犠牲になっていますが、、、
燃費は悪い
ツーリングの時の記録から燃費を計算してみました。
信号をほとんどない道を4000回転巡行で行くと、、、
リッター当たり12.6kmでした(泣)
リッター12.6って1000ccマシンより悪いですね。
同じ2ストでもnsr250rなどはリッター20くらい走るらしいので、車種と走り方でかなり違ってきます。
ただ、傾向としては4ストより燃費は悪くなります。
特に今の厳しい排ガス規制をクリアしたバイクとは比べ物になりませんね。
同じく現行のYZF-R25の実燃費を調べてみると、大体リッター当たり30kmほど走っているようで、それの半分以下、、、
パワーの代償ですね(笑)
少し燃料代がかかりますので、通学にはリッター40kmの125ccを使用しています。
オイルが飛んで服につく!
オイルは飛びます(笑)
ツーリング前後のテールを見てもらえれば良くわかります。
ツーリング前です。
ツーリング後です。
大体90キロぐらい走った後です。
オイルの点々が大きいところを囲ってみましたが、囲ったところ以外にも細かく点々はできています。
走り方にもよるんでしょうけど、チャンバーから出た2ストオイルが画像のように服にも飛んできます。
きったねえ!(笑)
汚れてもいいような服を着ないと後で後悔しますよ。
特にタンデムで後ろに彼女を乗せたら、、、考えただけでゾッとします。(彼女はいませんが)
後ろが野郎ならOKです!
オイルはツーリング後にはふき取っていますが、ナンバーも同じように汚れるのできれいに保ちたい人はツーリング後にふき取ってやるといいと思います。
まあ、これも2ストの味なので理解して乗ってるとそんなに困ることではありません。
どれぐらい故障する?
正直車種や使い方によってかなり変わります。
頻繁に峠を攻めてたら各部の消耗は早くなるし、車種によっては持病と言われる故障しやすい箇所があります。
R1-Zは故障しやすいところはありますが、パーツもまだあるのに加えて2ストの中ではまだ丈夫な方なのでましな方だそうです。
僕はまだ手に入れて1か月もたってないので何とも言えません。
※追記
納車されて1年で6000kmほど走りましたが故障は全然ありません!
パーツが無い!
2ストに限らず旧車全般に言えることですが、パーツはありません。
ただ、車種やメーカーによって事情が変わってきます。
ヤマハは古い車両のパーツは出るほうだし、ホンダはすぐパーツが廃盤になる傾向があります。
ヤマハのR1-Zの場合は2スト中では新しい方ということもあり、クラッチとかリアショック、ピストンリングやピストンなどの消耗品はまだ出ます。
※追記 最近ヤバくなってきました、、、
反対に、タンクやカウル、ウインカーなどは全て生産終了しており、こけたら終わりです。
その場合はヤフオクでパーツを見つける必要があります。
R1-Zの場合だと純正でセパハンなのですが中古品で1万円、サイレンサー(美品)で4万円ほどします、、、
これからもパーツがどんどん廃盤になると思うので、ある程度はストックしておくと後々困らなくて済みます。
とはいえ、本当に高いので気軽に購入できないのが悩みですね。
初心者でも運転できる
これは意外と運転できます!
実は僕は原付スクーターと教習車のcb400sfしか運転した事なく、はじめての中型バイクです。
2ストバイクは確かに低速時は運転しにくいですが、発進以外はそんなに勝手は変わりません。
3000回転ぐらいの低回転ゾーンでも普通に乗るぐらいなら困らない加速をします。
※当時は比較対象が50ccスクーターしかなかったので、加速は普通にすると書きましたが、原付2種のアドレス125を納車してから125ccより低回転の加速が無いことに気が付きました(笑)ですので、気持ち回転数高めにしてやるとストレスなく乗れるでしょう。
発進もクラッチミートを慎重にしないとエンストしそうになりますが、少し粘ってくれるので何とかなります。
一番困るのは渋滞です。
少し進んではすぐ停車といった状態だと、低速トルクが無いおかげでクラッチとアクセル操作を慎重にする必要があるのも少し気を抜けません。
また、プラグがかぶらないかも心配になります。
これを聞くと「初心者には厳しいかも」と思うかもしれませんが、当時の人たちは普通に乗ってたのでそれほどシビアに考えなくてもいいと思います。
俺の親父もレプリカ最盛期の時代に初めてのバイクで初代RG250Γに乗ってたらしくて、じゃあ行けるかなと思って購入しました。
まとめ
最後になぜ19歳の学生の僕がめんどくさい2ストを購入しようと思ったのかを話します。
僕がまだ小さいころに寝台列車であるブルートレインにずっと乗りたかったのです。
親には大人になってら乗ったらいいよと言われ続けて、ブルートレインは僕が乗る前に引退してしまいました。
この話のどこに関係があるのか?と思われるかもしれませんが、2ストもいずれはブルートレインと同じような運命をたどるでしょう。
でも、大人ではないですが、今なら2ストを体験できるチャンスをものにできる可能性はあります。
そのチャンスを逃して後悔したくなかったので2ストを購入することを決めたのでした。
最後は自分語りでしたが、参考になればうれしいです!
最後までありがとうございました。